オリーブオイルは、人類が最初につくったオイル
果実を搾っただけの純粋なオイルです。
原産地はトルコ南部、地中海に面した地域。また、もともと地中海の東、トルコの東南からアフリカの東北沿岸にかけて、ごく一部の地域に自生していたと言われています。
600年前のクレタ、キプロス、シリアで盛んにオリーブオイルが生産されていたと記録されています。
地中海の東部で始まったオリーブ栽培を西へ伝えたのはフェニキア人で、ギリシャ・ゴール地方(現、南フランス)・イタリア半島・シチリア・南スペインへと伝わりました。
現在のように地中海全域でオリーブが栽培されるようになったのは、ローマ帝国(紀元前3世紀)、人口100万人都市のローマの都で、食用・灯火・美容・化粧など様々な生活の中でオリーブオイルは使用されました。当時の有力な貴族が広大なオリーブ園をつくり、オイルをローマに運ぶことで地中海全域にオリーブが広がりました。その後地中海全域で栽培されるようになりました。
オリーブは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの多くの宗教で聖なるオイルといわれています。
【国際オリーブ油審議会(I.O.O.C)規格】
一般的表記 | イタリアの分類 | 酸価 | 備考 |
エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル |
エキストラ・ヴァージン | 1%未満 |
絞ったままのオリーブオイル(一番搾り)。 |
ファイン・ヴァージン | 2%未満 |
セミファイン・ヴァージン | 3.3%未満 |
ヴァージン(ランパンテ) | 3.3%以下 |
リファインド(精製)・オリーブオイル |
リファインド | 0.5%以下 |
酸価4%以上のオリーブオイルを精製 |
絞り滓から精製したもの | 0.5%以下 |
ヴァージン・オリーブオイルの絞り滓から抽出した二番絞りのオイルを精製したもの |
ピュア・オリーブオイル |
オリーブオイル | 2%以下 |
ヴァージン・オリーブオイルと精製オリーブオイルをブレンドしたもの |
オリーブオイル | 3%以下 |
ヴァージン・オリーブオイルと二番絞りオリーブオイルをブレンドしたもの |
「酸価」・・オリーブオイル中に含まれる脂肪酸(リノレン酸)が遊離している度合い。味は一般的には、酸価が高くなるほど悪くなるそうです。
オリーブオイルが健康的といわれる第一のポイントは、脂肪酸の構成にある。他の通常の植物オイルに比べて、圧倒的にオレイン酸が多い(品種改良された紅花油やひまわり油の中にはオリーブオイルと同等、もしくはそれ以上のオレイン酸を含むものもある)。
オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減らすほか、老化の原因とされる活性酸素の活動を抑える優れた抗酸化力を発揮する。さらに血糖値をコントロールするインスリンのはたらきを助け、体脂肪をためにくくすることで注目を集める脂肪酸。逆に、悪玉コレステロールを増やしがちな飽和脂肪酸が少ないのもオリーブオイルの特長です。
オリーブオイルの中でも特にエクストラバージンオリーブオイルといったバージンオリーブオイル類は、精製などの手を加えていない果実を搾っただけの自然の恵み。このため、ビタミンやミネラルがたっぷり含まれているのも特長。オリーブオイルに含まれるこうした微量成分は300種以上ともいわれています。代表的な成分をあげてみましょう。
★ビタミンA・・・ 目の機能を保ち、肌荒れや風邪の予防にも欠かせない成分。
★ベータカロチン・・・ 体内でビタミンAに変化し、抗酸化物質として効果的。
★ビタミンE・・・ 動脈硬化や老化を防ぐ"若返りのビタミン"。
★ポリフェノール・・・ 活性酸素に力を発揮するので、シミやソバカス、老化予防に期待大。
★スクワラン・・・ 皮脂とともに肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎ保湿を。
さらに、オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、ビタミンEの吸収を促すはたらきもあるといわれている。ビタミンEといえば、体のサビを抑える抗酸化作用で"若返りのビタミン"と呼ばれるもの。だが、そればかりではない。国立がんセンターが発表した「がんを防ぐための12ヵ条」の中でも、発がん物質がつくられるのを抑えるはたらきがあるビタミンのひとつとして、積極的な摂取が薦められている。
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